【column】キレイが続く♪散らからない衣類収納術

2024.12.19 | 収納・整理

片付けのプロである“美収納コンシェルジュ”園藤ふみさんのお宅にお邪魔し、「収納」のコツを伝授してもらう連載企画。
記念すべき第1回目は、使いやすく、しかもキレイをキープできる「衣類の収納」について教えていただきました。

洋服の量を把握して、グループ分け

家を建てるとき、「収納を多く確保した」という方も多いのではないでしょうか。満足のいく収納スペースを用意しても、ちょっと気を抜いた途端に、モノで溢れてしまう…なんてことも。

空間があればあるほど、つい詰め込みたくなってしまいますが、収納する洋服は、スペースに対して約8割に抑えるのが重要なポイント。
常に現状を把握しやすいし、何より取り出しやすくなります。
過去何年も着ていない、サイズが合わない、素材が劣化している…そんな衣類は、これを機に手放しましょう!

特に白い服は、染みや汚れに気が付かず収納してしまうと、とりかえしのつかないことに…。しっかりチェックして、取捨選択を!

収納するモノが選別できたら、グループ分けしましょう。

〈洋服を4つのグループに分ける〉
① 通年で着る服
② 真夏用の服
③ 冬用の厚手服
④ 春・秋用の薄手服

グループごとにまとめ、同じケースや場所に収納しておくと、使いたいときに探すこともなく、すぐに取り出せて便利。
夏にしか使わない水着や、冬にしか使わない防寒具などの季節限定アイテムもまとめておくと「あれがない!これがない!」と慌てることもありません。

収納スペースを3つのエリアに分割

収納スペースを使いやすくするために、欠かせないのが「エリア分け」です。

写真は、園藤さんが衣類収納として使っている押し入れです。
園藤さん宅は夫婦・子ども2人の4人家族。子どもが幼稚園に通っていた頃、小さい子でも自分で片づけることができる園の収納システムに感銘を受けて、現在の衣類収納方法を確立させたそう。以来、家族全員の衣類を一カ所にまとめて収納。
エリアはざっくり「上」「中」「下」に分けています。

〈上段(天袋)〉
押し入れ上段は湿気が少ないので使用頻度が少なく、湿気に弱い物の収納に向いています。取り出す際のことを考えて比較的軽いものがおすすめ。
例)季節の飾り(クリスマスやハロウィン)、節句(お雛様や兜)、季節外の布団など

〈中段〉
最も使いやすいこの場所には、“いま着るもの”を畳んでボックス収納。
例)シワが気にならない素材のTシャツやカットソー、トレーナー、ニットなど。なお、畳みたくないアイテム(カッターシャツなど)はハンガー収納されていました。

〈下段〉
ここには、取り出しやすいように子供専用の衣類を収納。
例)ズボン、靴下、下着、学校用の普段着、体操服など

一番下の収納ボックスの後ろにできた空きスペースには、扇風機などの季節家電が収納されていました。

エリア・目的ごとに使い分ける収納ケース

次に、グループ分けしたモノの量に合わせて、収納するケースの大きさや形状・素材を検討しましょう。

【上】
高い場所に置くので、軽くて取り出しやすいものが便利。
取っ手のついたソフトボックスなどは、使わない時は畳めるのでオススメです。



【中】
吊るす収納に使うハンガーは、統一すれば、よりスッキリ見えます。



【中・下】
1)畳んだものを入れるボックスには1つ1つラベリングをすると、家族全員が場所を把握 でき、誰もが使いやすくなります。なお半透明のボックスは、中に入れたモノの色が見えてしまうため、雑然とした雰囲気になってしまいます。
そこで園藤さんはボックスの手前に白い画用紙を挿入し、全体の雰囲気をモノトーンで統一。見た目からすっきりさせておけば、キレイをキープしたいという気持ちを保つ、モチベーションにつながります。



2)収納ボックスは取り出しやすい引き出しタイプ。なおかつ、個別に積み重ね可能な収 納ケースだと、状況に応じて高さが変えられるので便利です!

新しく購入する場合は収納スペースの奥行きなど、サイズを測るようにしてくださいね。3)ボックスの中に靴下や下着など小さなものを入れる場合は、バラバラにならないように 間仕切りを。100円ショップで売られている仕切り用グッズやケース、プラスチック段ボールをサイズに合わせて切って使うのもおススメです。


放り込みボックスで気持ちにゆとりを

どこから見てもキレイに整理されている園藤さんの押し入れ。長続きするコツを尋ねると「放り込みボックス」の存在を教えてくれました。



ハンガー収納の下に置いている木製のカゴ。この中にはパジャマや、まだ洗う必要のない衣類、手元に置いておきたい衣類などを“とりあえず”入れる場所にしています。この押し入れ収納の場所が、家族が集まる「リビングの隣」にあることも需要なポイント。すぐ手に取れる場所に「一時置き場」を設けることが、使いやすさにつながっています。



続いてのコツは、中段の収納ボックスの上に置かれている、4つの白いメッシュのカゴ。これは園藤さんの夫のために作った「放り込みボックス」。
管理も全て夫に任せており、園藤さんも中に何が入っているのか把握していないとか(笑)。「ルールを強いるばかりではなく、ゆるい部分を作っておけば家族の協力が得られやすいし、キレイが長続きするポイントになっています」。

取材ライターのつぶやき

今回は衣類を整理し、家族も使いやすい収納のコツをご紹介しました。取り出しやすく、片付けやすい空間に整えれば、散らかってしまうのも防げるし、面倒な衣替えも、グループ分けができていればとてもスムーズだということが分かりました。
それにしても、約15年前に完成させた園藤家の衣類収納システムが、今も絶賛継続中だということに感動を覚えました。
新居だと、あらかじめモノが整理されている状況の方も多いはず。次の衣替えのタイミングで挑戦してみてはいかがですか?

今回のSpecialist 園藤ふみ(えんどうふみ) さん

美収納コンシェルジュとして個人宅の片付けや行政、企業への収納サービスを提供。相談者の悩みから部屋を一新するサービスの利用は、依頼やリピートだけで600件を超し、行政や企業の収納セミナー受講者数は3,500名を超えている。
各種メディア、企業イベントへの出演、寄稿依頼などの実績もあり、2015年に「男前収納でキレイになる片づけのコツ」(きずな出版)を出版。


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