【column】余裕を作るアイデアレシピで、もてなす側も楽しめるホームパーティー

2025.08.21 | ホームパーティー

自慢のわが家をお披露目するホームパーティーを計画してみませんか。リラックスした雰囲気と心を込めたおもてなしで、日ごろなかなか伝えられない感謝の気持ちも伝えられたらステキですよね。来客を意識することで、掃除を見落としていた箇所や、日常にも生かせる工夫に気づくこともあります。
自宅で料理教室を主宰し、テーブルコーディネーションディプロマの資格も持つ落合葉子さんに、ホームパーティーのイロハを教えてもらいました。
2回目は、フォーマルなテーブルコーディネートに合わせたレシピをご紹介します。ホストがキッチンにこもらずテーブルで一緒に楽しめること、そして、無理のない手順でつくれることを意識した、「うちラク」限定公開のレシピです。

レシピの基本的な考え方

ホームパーティーでは、レストランのような料理に挑戦するより、日頃から作り慣れているメニューを器の力とテーブルコーディネートでおもてなし料理に変身させましょう。「家庭らしい料理を心がけた方が、気持ちが伝わると思います」と落合さん。ゲストにとっても、その家の温もりに触れられることこそがホームパーティーの醍醐味です。

落合さんのおすすめは、作り置きできるものやオーブン料理を取り入れ、ホストが席を立つ回数をなるべく減らすこと。冷めた状態で提供する前菜や、「あとは焼くだけ」「混ぜるだけ」まで準備しておける料理で、ゲストもホストも楽しめるパーティーにしましょう。

フォーマル編レシピ(5品)

〈おつまみ3種〉


▲脚付きのシックな器に盛りつけて。重箱のように蓋のあるもの、アフタヌーンティー用のティースタンドに盛り付けるのもおすすめです

椎茸のエスカルゴバター焼き
●材料
椎茸(大)4個
しらす 適量
パルメザンチーズ適量
パン粉 適量
〈エスカルゴバター〉※作りやすい分量
無塩バター(室温)50g
パセリ(みじん)5g
ニンニク(みじん)1片分
塩 ひとつまみ

●作り方
〈下準備〉
椎茸の軸は外しておく

1.エスカルゴバターを作る。
ボウルに室温に戻した無塩バターを入れ、パセリ、ニンニク、塩を入れ、全体が緑色になるくらいまでしっかり混ぜ合わせる。ラップに乗せ、キャンディのように両端をねじって包み、冷蔵庫で固める。
2.椎茸の笠の内側に、しらす、適量のエスカルゴバター、パルメザンチーズ、パン粉を乗せ、グリルでこんがりするまで焼く。

〈Point〉 エスカルゴバターは事前に作り置きでき、冷凍保存も可能。バケットに塗って焼けばガーリックトーストに、キノコをソテーするときに使えば風味づけにと、とっても便利です。

生ハムの大根巻き
●材料
大根 4cm
生ハム 8枚
〈A〉
柑橘の果汁 小さじ1 ※柑橘は柚子、グレープフルーツ、レモン、カボス、すだちなどお好みのものでOK
オリーブオイル 小さじ1
塩 少々

カイワレダイコン 適宜

●作り方
・大根…皮を剥き、2mm角の細切り。食べる直前に、Aで和える。
1.生ハムを広げ、ドレッシングで和えた大根を巻く。お皿に盛り、カイワレダイコンをあしらう。

ハムペースト
●材料
〈A〉
ロースハム 50g
カマンベールチーズ 25g
生クリーム 大さじ1
コショウ 少々

バケット 適宜
パセリ 適宜 ※ピンクペッパー、小ネギのみじん切りもOK

●作り方
1.フードプロセッサーにAを入れ、なめらかなペースト状にする。
2.軽く焼いたバケットの上に、1を塗り、パセリをあしらう。

〈Point〉ブレンダーで混ぜるだけのカンタン調理。前日から作り置き可能です。

〈前菜〉ホタテとアボカドのマリネ


▲具材の彩りが見えるように、ガラス器をチョイス。小皿を敷けば、使い終わった後のスプーンの置き場にも困りません。小皿の色はアボカドのグリーンにリンクさせて

●材料
ホタテ 5個
アボカド 1個
オリーブ 8個
〈A〉
ねりワサビ 小さじ1
レモン汁 大さじ1
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1/4
コショウ 少々

●作り方
〈下準備〉
ホタテは塩を加えた熱湯で、さっと霜降りにする。表面が白くなったらすぐ取り出し、氷水に取る。1cm角に切る。※冷凍ホタテを使う場合は、解凍してから霜降りに
アボカドは1cm角に切る。
オリーブは半分に切る。

1.ボウルにAをよく混ぜ合わせ、ホタテ、アボカド、オリーブを加えて、さっくり混ぜる。

〈Point〉ゲストの到着までに材料の下準備をしておき、おつまみを食べてもらっている間に和えましょう。レモン汁は、カボス、柚子などで代用してもOKです。

〈メイン〉鶏もも肉のキノコ焼き


▲オーブンやグリルOKの角皿は、一つ持っておくと重宝します。「今回使ったのは母が50年ほど前に購入したもの。縁の文様が美しいエレガントな器で、来客時に活躍します。『ル・クルーゼ』や『ストウブ』の鋳物鍋もそのままテーブルに出せておすすめです」

●材料
鶏もも肉 2枚
生椎茸・しめじ・エリンギ 各100g
玉ネギ 1/2個
オリーブオイル 大さじ1
バター 10g
サラダ油 適宜
パン粉 適宜
パセリ(みじん切り)

●作り方
〈下準備〉
鶏肉は余分な脂を取り除き、筋切りをする。半分に切り、5cm角位に切る。焼く直前に、塩、胡椒をふる。
椎茸は7~8mmの厚さに切る。
しめじは石づきをとり、ほぐす。
エリンギはしめじの大きさに切りそろえる。
玉ネギは薄切り。

オーブンを220度に予熱しておく。

1.フライパンを熱し、サラダ油で、玉ネギをしんなりするまで炒めておく。
2.1を取り出し、サッと拭いたフライパンに、サラダ油を熱し、塩、胡椒をふった鶏肉を入れ、表面をこんがり焼き、オーブン皿に並べる。
3.2のフライパンにオリーブオイルを足し、キノコ類をさっと炒め、少し強めに塩、胡椒をふる。
4.2の鶏肉に炒めた玉ネギとキノコをのせ、上からパン粉を薄くかける。所々にバターを小豆大にちぎって置き、200℃のオーブンで約15分、こんがりとパン粉が色づくまで焼く。

〈Point〉 キノコは買ってきたらすぐ半日ほど干し、旨味を凝縮させるのが落合流。香りが全く違います。また、鶏肉は人数分ずつ切っておくことで、取り分けやすくしました。

〈サラダ〉サニーレタスの和風サラダ


▲フレッシュな野菜を引き立てる、艶のある陶器。透明感のある器を選ぶことで、みずみずしさが際立ちます

●材料
サニーレタス 4~5枚
〈ドレッシング〉
マヨネーズ 大さじ5
牛乳 大さじ2
薄口醤油 小さじ1/2
かつおぶしパック 1袋

●作り方
〈下準備〉
サニーレタスは30分ほど水につけておく。水気を切り、ペーパータオルに包み、冷蔵庫の乾燥を利用してパリッとさせる。
1.ボウルにドレッシングの材料を合わせておく。サニーレタスを一口大にちぎって加え、全体を和える。かつおぶしを入れ、全体を和え、器に盛る。

〈Point〉事前に、サニーレタスをパリッとさせておくこと。一口大にちぎり、ボウルに入れて冷蔵庫に準備しておき、直前に和えます。

〈デザート〉フローズンフルーツヨーグルト


▲ふんわりロマンティックな雰囲気を邪魔しない、プレーンなガラスの器を使いました。水切りとはいえ水分の多いデザートなので、平たいお皿ではなく、適度な深さのある器を選びます。深めのココットやグラス、ワイングラスも合いそう

●材料 ※作りやすい分量
ヨーグルト(無糖)400g(水切り後200g)
練乳 大さじ3
好みの冷凍フルーツ 適量 (イチゴ、ブルーベリー、イチジクなど)
粉糖 適宜

●作り方
〈下準備〉
ざるにキッチンペーパーを敷いてヨーグルトを入れ、冷蔵庫で最低2時間水切りをする。(※水切り後、200g必要)
水切りヨーグルトに練乳を混ぜておく。

1. 器にヨーグルトを盛る。冷凍フルーツを彩りよくたっぷり乗せて、粉糖をふる。

〈Point〉市販のヨーグルトを一晩冷蔵庫で水切りしておくと、あっさりしたクリームみたいになります。冷凍フルーツが一口大になるよう、大きい場合はカットしましょう。

取材ライターのつぶやき

とっても凝って見えるのに、ホストが給仕に追われることのないレシピが完成しました!温かいものも、冷たいものも、これなら余裕で出すことができそうです。成功の秘訣はレシピそのものにありますが、サラダやマリネがしっかり入るよう、冷蔵庫の空きスペースを事前に確認しておくこともお忘れなく!
サラダと言えば、かつおぶしの入ったドレッシングが絶品でした。かつおぶしが水分を吸ってほどよく柔らかくなり、その新たな魅力に触れた気がします。ゲストから「このドレッシング、どうやって作ったの?」と聞かれること請け合いの一品、ぜひ作ってみてください。

今回のSpecialist 落合葉子 さん

食環境プロデューサー木村ふみ氏に師事し、テーブルコーディネーションを学び、ディプロマを取得。市村美佳子氏に10年間師事し、フラワーアレンジメントを学ぶ。
料理研究家松田美智子氏に師事し、現代の家庭料理を学ぶ。
現在は自宅にて料理サロン「Coordinare」を主宰し、料理教室やテーブルコーディネートなど、経験とセンスを生かした独自のスタイルを提案している。


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